上田 雄
渤海国―東アジア古代王国の使者たち
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| 価格 | 商品名 |
| ¥ 1,103 | 渤海国―東アジア古代王国の使者たち |
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平安日本、唯一の外交パートナー |
「渤海」なんて何かヘンな名前ですが、これはレッキとした古代王朝の国号です。この国、7世紀末から10世紀の前半までの約230年間、朝鮮半島北部から中国東北地方にかけて存在していました。中国本土では唐朝が栄えた時代であり、渤海も唐の文化を吸収・咀嚼して、平和な文化国家としての繁栄を謳歌していたのだそうです。民族的には、朝鮮系とも満族系とも言われていますが、実際のところはよく分からないのだそうです。
この国に関して特筆すべきは、我が国平安朝のある時期(9世紀半ばから10世紀前半)には、日本の外交関係の唯一の対象が渤海であったことでしょう。菅原道真や都良香といった本朝随一の文人たちが漢詩の応酬などを繰り広げた相手方は、実は唐朝からの使者ではなく、渤海からの客人たちでした。我が国に対する文化的な影響という点でも、我々はもっと渤海に注目すべきなのかもしれません。
本書は、渤海国の興亡をごく簡単に紹介するとともに、この国と我が国との交流の実態を解説するものです。渤海国そのものに関する本というよりも、和が国の側から見た日渤交渉史に主眼が置かれています。もう少し渤海自体について言及して欲しいなと思いますが、我が国平安朝における外交政策の実態や、古代東アジアにおける国際関係のありさまを考えるという観点からも、それなりに興味を覚えました。

